生前贈与と不動産取得税
節税目的の生前対策の一環として、贈与を検討される方もいらっしゃると思いますが、気を付けなければならないのが「不動産取得税」の存在です。
不動産取得税とは、土地や建物等の不動産を相続以外で所得した場合に一度だけ課税される国税のことです。これは、不動産の有償・無償に関係なく課税対象となります。
不動産取得税が課税される取得には以下の5つが該当します。
- 売買
- 新築
- 増改築
- 贈与
- 購入
また、等価交換によって不動産を取得した場合も不動産取得税の対象となるため、注意が必要です。
なお、不動産取得税には軽減措置が設けられており、取得した不動産が新築か中古かによって適用要件が異なります。ただし、不動産を以上の5つの理由により取得した場合は取得日から60日以内に、不動産の所在地を管轄する県税事務所に対し「不動産取得確定書」を提出しなければなりません。
期限まで申告しなかった場合不動産取得税の軽減措置を受けられなくなってしまう可能性もありますので注意しましょう。
生前対策としての贈与は慎重な判断が重要
上記の通り、生前贈与により不動産を取得した場合には、不動産取得税が課されることになります。しかし、相続によって不動産を取得した場合は不動産取得税が課されないため、贈与税と不動産取得税のどちらかが高額になってしまうのか、予め計算して判断するようにしましょう。
贈与税には配偶者控除の特例という制度があります。これは、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産を贈与する場合には2,000万円まで贈与税が非課税となる制度です。
この特例を利用することで2,000万円の不動産の贈与に課せられる贈与税はなくなりますが、贈与による取得となりますので、約30万円の不動産取得税が課税されます。
また、相続時と比べて贈与取得の場合、登記をした際の経費となる「登録免許税」も高く設定されていることに注意しましょう。状況によっては、相続での不動産取得のほうが納める税金が安くなる可能性があります。
上記のような可能性があることからも、「生前贈与=節税」というように安易に考えるのではなく、全体の費用等も考慮したうえで判断することをおすすめいたします。
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